銀色の森を探しに

Seeking for the silvery forest
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一年を振り返って


早いもので、2015年があっという間に終わりまた新しい一年が始まろうとしています。

ヤドクガエルを始めて、ブログを始め、色々な方と知り合えてお話ができたのは私にとってとても幸運なことでした。

2016年は読んで楽しくなれるような記事が書けたらいいなあ、と思います。

佐賀県の僻地に住んでいるので、なかなか同じ趣味の人とつながることができないと思っていましたが、改めてインターネットの便利さを実感している所です。

構ってくださる皆さんのおかげで、楽しい一年を過ごすことができました。お世話になりました。

また来年もよろしくお願いします。

2016年もよろしくお願いします

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ビバリウム内の炭酸ガス濃度とカエルや土壌の呼吸が及ぼす影響について


炭酸ガス(二酸化炭素)測定器を借りてきました。

外気濃度

データロガーとしての機能も持っています。これは5万円ほどの測定器ですが、かなり安価な方だと思います。
このような測定器は精度が価格に比例すると思うので、完璧な測定値は望めませんがある程度の目安にはなると思います。

画面には424ppmと表示されていますが、ノーマルな外気の濃度は約400ppmですのでこれくらいの誤差があるとお考え下さい。

早速計測に移っていきたいと思います。まずは飼育部屋の濃度から。

飼育部屋濃度

453ppmと、少し外気に比べて高い程度ですね。ちなみに人間の呼吸でもかなりの炭酸ガスが放出されます。ちょっと居ると600ppmとかになってます。

次はビバリウム内の濃度を。計測にはこのビバリウムを使用します。

ビバリウム計測風景

レプタイルケージの6045です。ベゴニア数株にペペロミア、ユキノシタ、勝手に生えてきたシダ、アジアンタムやジュエルオーキッドというカオスな環境に4匹のアズレウスが暮らしています。
培土には園芸用の培土に少しバーク堆肥などを混ぜたものを使用しています。

おっと、早速嫌がらせを受けています。新入りにはまず主従関係を叩き込むのが彼らのやり方なのでしょうか。

オラァ!


そんなこんなで数値も安定してきました。

ビバリウム内濃度

527ppm!ビバリウム内の方が高いという結果が出ました。


それではこの結果を受けて解説も含め簡単にまとめていきたいと思います。

まず、このビバリウム内で考えられる炭酸ガスの発生源を挙げていきます。

・植物の呼吸による放出
・カエルや微生物の呼吸による放出
・微生物による有機物(植物残渣やカエルの糞)の分解時に放出

ざっとこんなものだと思います。

つまり炭酸ガス濃度が外気よりも高く維持されているという事は、このビバリウムの環境中(前述の発生源)から放出される二酸化炭素の量が、植物が光合成に利用する分を十分補っているという事です。

これが鉢植えの植物だけを入れたようなケージだと、おそらくケージ内の濃度は外気よりも低くなっている事でしょう。
我が家にはそのようなケージがないのが悔やまれます。測定してみたい!

詳しいデータを取るためには24時間ロギングしてそれをグラフにしたりするのですが、今回は省略します。

これはカエルを入れたビバリウムだからこそ、の数値だと言えます。

カエルの糞由来の肥料分もかなり期待できるので、植物にとってはすごーく良い環境だと思います。
という事で、みんなでカエルを飼いましょう!笑

これと関連して、カエルの糞がどのように植物に利用され土壌に影響を与えるのかや、良い土壌の条件や土壌診断の実際等についてもこれから書いていけたらと思っています。

番外編でカエルの呼吸による濃度の変化もちょっとやってみたのですが時間がないので画像だけ…
次回に詳しく書きたいと思います。

カエルの呼吸3

カエルとか二酸化炭素とか


先日はHeatwaveでの忘年会に飛び入り参加(ありがとうございました)させてもらって、色々なお話ができました。

その中でも皆さん二酸化炭素施用について興味をお持ちのようでしたので、肥料と絡めて次回からより詳しく書いていければと思います。

もっとも私ができるのは主に原理の説明やシステムについてであり、実際の鉢物栽培についてはド素人です。

それでも温室やビバリウムへの炭酸ガス添加については自分自身でも気になっていたので、自分のビバリウムの二酸化炭素濃度を実際に計測してみたいと思っています。

私の手持ちでは二酸化炭素を添加してまで成長を促進したい植物はないのですが、あくまで実験という形で計測してみたいと思います。

が、肝心の炭酸ガス濃度測定器がまだ用意できていないので、結果はまた後日まとめたいと思います...

話は変わりますが、Heatwaveから我が家に新しいカエルがやってきました。

Lorenzo 122715

Lorenzo2 122715
Dendrobates tinctorius “Lorenzo”

角度によっては黒に見えますが、紺碧のボディにVのワンポイントがツボでした。

クリスマスカラー


我が家で一番のクリスマスカラーはこのベゴニア。

Begonia rex tombourine
rta

20151225163551ecf.jpeg

rt

次点でquadrialata ssp. nimbaensis (sp)
ニンバエンシス

良いクリスマスを!

施設園芸における植物の環境制御 その2


前回は飽差まで書きましたが、今回はその飽差がなぜ重要な指標となりうるか書いていきたいと思います。

植物の生育に最適な飽差は、3~6(g/m3)とされていますが、その範囲を超えて空気が湿りすぎていたり、逆に乾きすぎていたり(※)すると気孔の開閉や蒸散がスムーズに行われません。つまり、光合成に必要な二酸化炭素の吸収も不安定になります。

※(乾きすぎていると植物は危機を感じ気孔は閉じられ、湿りすぎていると気孔は開いていても蒸気圧の差がなくなり蒸散が抑制されることになります)

上記の理由で、飽差を見れば大体の温度と湿度の関係と、光合成に適した環境であるかどうかがわかるわけですね。

温度単体で見るとは光合成には重要ではないんです。転流については温度に支配されるようですが。

ここまでが環境制御の肝ですが、もちろんこれがすべてではなく、光合成に影響を及ぼすものはまだあります。前回割愛した「風」です。


風がどう光合成と関わってくるのか?まずは無風の状態と仮定して考えてみます。

植物の葉の周りには葉面境界層と呼ばれる薄い空気のよどみがあります。光合成の際に行われるガス交換であったり、蒸散によって吐き出された水蒸気だったりで淀んでいる層です。これが無風の状態だと、新鮮な空気が供給されないので常に淀んだままとなり、植物は円滑な光合成を行うことができません。

つまり、風=空気の流れが重要になってきます。

風があると、葉面境界層が破壊され、植物は新鮮な空気を得ることができます。循環扇等を使うことで空気の流れを作ることができますね。

以上、施設園芸における環境制御についてでした。もっと詳しいことが知りたい方は検索すれば学術的な記事がたくさん出てくると思います。

光合成と転流がうまくいっていると、トマトやイチゴなどで収量が飛躍的に伸びます。


イチゴハウス


施設園芸における植物の環境制御

少し脱線しますが、非常に面白いと思うので色々と省略しながらですが紹介していきます。

現在、施設園芸の分野で流行っている環境制御技術についてです。

簡単に説明すると、ハウス内の環境(温度、湿度、飽差、二酸化炭素濃度、照度、地温等)を計器でモニターし、理想の光合成ができる環境に近づけ植物の成長段階にあった管理を実施するというものです。

我が家では誠和さんの環境測定器、プロファインダーを設置しています。

プロファインダー

この箱の中に測定器類が詰まっています。ここからLANケーブルでつながれたPCまで情報が送られます。

201512131020044fe.jpeg

少しアップで
プロファインダー

数字がほぼリアルタイムで更新され、現在のハウス内の環境が把握できます。

植物にとって成長の柱となるのは光合成です。水と二酸化炭素と光エネルギーから、炭水化物を合成する...このプロセスがうまくいかなければ植物は思うように成長してくれません。

温室内のような締め切った空間で真っ先に足りなくなるのが二酸化炭素です。したがって、二酸化炭素を人為的に添加してあげる必要が出てきます。水草に添加す必要がある事と同じですね。
我が家ではいわゆる液体窒素をヒーターで気化させ、気体の状態にして添加するというシステムを導入しています。

現在は外気の濃度(390~400ppm)を下回らないように添加しています。これを添加していないと、ハウス内の二酸化炭素濃度は100ppm台にまで落ち込みます。ちなみに締め切った室内では5000ppmほどまで上昇していたのを見たことがあります。

そしてこの光合成ですが、必要な水と光と二酸化炭素があれば円滑に行われるかというと、そうではありません。

飽差という温度と湿度の関係性が重要になってきます。風等も必要ですが割愛します。

飽差とは、ある温度と湿度の空気に、飽和状態になるまでにあとどれだけの量(g/m3)の水蒸気の入る余地があるかを示す数字です。

先ほどの画像を参考に説明すると、気温が19.9℃、相対湿度が65%ですが

この気温での飽和水蒸気量が17.1g(m3)で、現在の絶対湿度は11.1g(m3)。

プロファインダー

したがって、飽差は6.0という事になります。

この数字を目安に環境を整えていきます。

果菜類の場合は、果実への転流も考えて温度管理等を考えていく必要もあります。

続く?

冬の味覚


この季節になると、廃棄となる野菜や果物が我が家にあふれます。

イチゴアップ

ハクサイ

ミカン

おこぼれに預かるのはもちろん...

イチゴコオロギ

殺虫系の農薬の心配も無く、甘いものは糖度が14を超えているのでご満足いただけたかと思います。

ここ最近、草食の爬虫類を飼おうと真面目に検討しています。


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